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解説

AIへ文書を渡す前に、必要な情報だけへ絞ろう:架空の依頼で置き換える練習

名前を消すだけで十分とは限らない。用途から必要な項目を選び、固有名詞や金額を置き換え、回答を戻す対応表を分けて管理する方法を紹介するよ。

AIへ文書を渡す前に、必要な情報だけへ絞ろう:架空の依頼で置き換える練習

問い合わせメールをAIに整えてもらいたい。でも、そのまま貼ると、顧客名、連絡先、契約額、未公開の計画まで渡してしまうかもしれない。送信前に、目的に必要な情報だけを残せるかを考えよう。

今回は架空の依頼文で練習する。実際の顧客データや契約書は使わない。目的は、文章の言い回しを整えるために必要な情報と、不要な詳細を分けること。置き換えだけで入力の許可が得られる、という手順ではないよ。

先に、入力してよいサービスかを確認する

仕事や共同作業の情報なら、組織の利用規則、契約、文書の扱いを先に確認する。公開していない文書を扱う権限と、外部サービスへ渡す権限は同じとは限らない。

また、同じ会社のサービスでも、製品、プラン、設定、API機能によってデータの扱いは異なる。たとえばOpenAIのAPI向け公式資料では、APIデータは明示的な同意がない限り学習に使われないと説明される一方、不正利用監視ログや機能ごとの保存条件も記されている。「学習に使わない」を「一切保存しない」と読み替えないでね。この説明を、個人向けChatGPTの全設定へ一律に当てはめることもしない。

利用してよい範囲が分からないときは、実データを入れず、構造を再現した架空の文章で相談しよう。

整える目的に必要な情報を選ぶ

たとえば、次の依頼を架空の元文とする。

星川商店の山田さんに、案件P-204の納品を10月28日から10月30日へ変更できるか尋ねたい。
契約額は48万円。メールはyamada@example.invalid。
丁寧で短い確認文にしたい。

日付の変更を尋ねる文章の型がほしいだけなら、実在する名前、メール、案件番号、契約額は不要かもしれない。次のように目的を保って置き換えられる。

取引先の担当者へ、納品予定日を【旧日程】から【新日程】へ変更できるか確認する文章を作ってください。
丁寧で短く、変更が確定したとは書かないでください。
宛名は【担当者名】とし、案件名・金額・メールアドレスは書かないでください。

日付の具体値が必要な計算を頼んでいるわけではないため、今回は日付も置き換えている。曜日や営業日を計算する依頼なら、必要な情報が変わる。まず何をしてほしいかを決めよう。

対応表まで一緒に渡さない

【担当者名】が誰か、【新日程】がいつかを記した対応表は、AIへ送る文章とは別に保持する。回答を受け取ってから、自分の手元で必要な値へ戻す。

本文で名前を消しても、ファイル名、添付資料、署名、引用メール、リンク先のURLに残っていることがある。元文と置き換え後を見比べ、不要な詳細が残っていないか確認しよう。

回答は、実データへ戻す前に読む

期待する回答には、変更の可否を尋ねる表現と、未確定のまま確認する意図が残る。AIが「変更が決まりました」と断定したり、架空の理由や補償条件を足したりしていたら直そう。

ここに載せたプロンプトは編集部の練習例で、特定モデルの実行結果ではない。出力の正しさや情報漏えいの防止を保証するものではなく、人による確認を省くための方法でもないよ。

最後に手元で固有情報を戻し、日付・宛名・添付先を確認してから、本来の送信先へ届ける。AIの回答をコピーした勢いで、別の相手へ送らないようにしよう。不足情報を質問してもらう方法と組み合わせると、送らなくてよい情報と、確認が必要な条件を整理しやすいよ。

参考・出典

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